社員ブログ

「傾きマンション」どうなるの?

投稿者:ブログ管理者 / 投稿日:2015/10/26

いま、建設業界の中で、一番の問題&話題の「傾きマンション」。
実際の購入者(区分所有者)にとってはとんでもない話ですし、建設業にとっても、とんでもない話です。
しかもそのマンションは、分譲マンション業界では、トップブランドの一つです。
あの会社のマンションで?なんで?実はこれが初めての傾きマンションではなかったと記憶していますが。
私が考えるマンションのトップブランドと言えば、「○ラ○ドシリーズ」と「○―クシリーズ」です。
施工者側からしても、一番厳しい施工管理をしている会社だと思います。
但し、実際に施工をするのは、ゼネコンであり、その一次下請けであり、その二次下請けであり、その三次下請けです。
今回の旭化成建材は確か、二次下請け会社です。マンション分譲会社からすれば、三次下請け会社です。
工期厳守とコスト重視に対する厳しい要求水準がこの不正の根本にあると言われています。 本当にそうでしょうか?
今回のトラブルに関する一連の報道を観ていると、構造疑惑で世間の話題をさらっていった「姉歯事件」を思い出します。
扱われ方も非常に似ています。不正に加担したある特定の個人に焦点を合わせようとしている感じがします。
果たしてその個人をこの業界から抹殺したとしても、問題は解決するでしょうか?

今回のトラブルを通じて、分譲マンション特有の問題が浮き彫りになり、
分譲マンションの販売方法そのものに対する規制強化や改革が行われることを
マンション管理士である私個人としては、強く望みます。

◎区分所有権という歪な所有権が存在する為に、本来共有物である建物維持管理及び修繕が思うように進まない。
今回の当事者である不動産会社は早々に「全棟建替」提案をしています。
但し、建替に向けた合意形成作業にはかなりの時間と労力が必要であり、成功した事例はほんの僅か。
築浅の物件での事例などほとんどない。南大沢の公団住宅の建替ぐらいでしょうか。(これも大問題になった)
修繕で対応するにしても、共有建物である限り、組合との協議承認行動が常に必要になり、
手間と時間をかなり要することになる。
仮住居期間中のローンの担保設定組み換えはどうやって行うのか?難しい問題が待ち受けています。
建物が一旦なくなるということは組合は一旦解散することになるでしょうし。

◎分譲マンション特有の販売方法である「青田売り」がある限り、
このような問題を未然に防ぐことは絶対に無理だと思います。
まだ出来ていないマンションの販売契約をするのですから。
できたマンションに対する瑕疵補償問題は常に付きまといます。
青田売りは分譲会社側からすると、販売リスクと資金リスクを軽減する為には絶対に必要な販売方法です。
業暦の浅い、いわゆるカタカナディベロッパーでは、青田売り以外の販売方法は不可能です。

◎個人的には、築10年以上を経過している中古住宅に、第三機関からのお墨付きを与えて販売する方法がお勧めです。
10年以上も経てば、構造上の問題や防水機能面等の不具合も明らかになっているでしょうし、
管理組合の運営が適正に行われているかどうかも  議事録等の保管状況を確認することにより検証することもできます。
中古住宅流通市場の拡充を政府も含め、強力に推し進めていくことが理想です。
リフォームを実施した上で、マンションの再販を行う業者もかなりいますが、
リフォームではなく、内装部分を全て撤去し、スケルトン(躯体部分そのままの状況)にした上で、
第三者の評価を受けることが良いと思います。リフォームを実施した後では、一番大切な躯体部分の確認ができません。

今回は設備会社の者としてというよりは、管理士としての金子で書かせてもらいました。

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