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「マンション75%修繕不安」2018年3月27日 日経新聞より

投稿者:ブログ担当者 / 投稿日:2018/3/30

 これは、日経新聞の朝刊の一面を飾ったフレーズです。
 簡単に言うと、国土交通省等が指針として出している分譲マンションにおける修繕積立金残高の適正水準を75%のマンションが下回っていることが日経新聞の調査で判明した。
 お金が無いので、適正な維持修繕工事が実施されず、マンション全体の資産価値に影響を与える可能性がある。その問題を解決する為には、月々区分所有者より集める修繕積立金を値上げするしかないが、値上げに必要な合意形成は非常に難しいという主旨の記事である。
 特に、タワーマンションは組合員数自体が非常に多いし、下層階・中間階・上層階の分譲時点での価格差が非常に大きく、世帯年収にも格差がある。それ故、値上げという課題に対して、組合員によって受けとめ方が違い、合意形成は非常に困難なことになる。
 組合員の高齢化も進んでいて、世帯年収が減少傾向の中、固定費用である積立金を更に 増額するということは生活を圧迫することにつながる。誰もが簡単には承諾できない提案である。
 新聞には書かれていないが、最近のタワーマンションの中には、価格帯が比較的安く、タワーマンションとしての魅力度が低い低層階のマンションをまとめて不動産会社に一括で転売しているケースもある。一部屋、二部屋とかではなく、数十部屋単位で転売しているのです。そしてそれをレジデンスとして外部の人に賃貸しているのです。その購入した会社が外資系(中国系等)の会社ということもあるのです。
 このような不動産会社兼区分所有者は、値上げには簡単に応じようとしません。個人よりも非常に難しい交渉相手になりますし、議決権割合も多くを占める所有者なので、意見を聞かないわけにはいかなくなります。
 タワーにかかわらず、分譲マンションの合意形成は非常に難しい問題です。積立金が足りないが修繕工事は実施しなければならない。どうしますか?管理会社や修繕工事のコンサルティング会社は、リース会社や金融公庫からの借入れで穴埋めをすることを勧めてきます。
 単なる借入れを実行し、返済は月々の管理費及び積立金から充当していく。このスキームだと、3/4以上の賛成という大きなハードルを下げることができ、且つ問題の先送りが可能になるのです。借入れはいつか返さなければなりません。現時点では金利が非常に低いので、あまり気にもせずに借入れを行っていますが。この発想は日本の伝統なのでしょうか。
問題の先送りはいつか、将来の大人、つまり今の子供世代に更に大きな負担を強いることになります。

(金子個人の意見)※本当に勝手な意見ですので。
 20年以上を経過して、合意形成が厄介な分譲マンションは売れる時期に売ってしまいましょう。そもそも何百という数の組合員の一人一人の意見をまとめていくのは困難です。
 過半数等であれば、無関心組合員の委任状を集めれば、理事会の意向を組合運営に反映していくことは可能ですが、反対する人の意見はまったく反映されないということになります。個人の大切な財産の使用用途も含めて制限を加えられる可能性もあります。
 それよりは個人の判断で財産の使用や処分も決めることができる財産の方がいいと思います。
 マンションの寿命は60年~70年程度と言われています。修繕に必要な金額は年数を経ていけばいくほど増加していきます。建替も必要になってきます。合意形成もますます難しくなるということです。

 これからの分譲マンションは、単年度で物事を決めるのではなく、長期的な方針、維持保全に対する考え方、建替に対する対応方針等を組合全体で策定、決定し、示していく必要があると思います。難しい問題は直ぐに先送り、修繕に対する不安には煽られて、短期的な修繕工事は実施していく。そして積立金は底をつく。

 個人的にはタワーマンションは一度は住んでみたい場所だが、持つべきものではないと思います。

金子

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