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マンション火災について考える

投稿者:ブログ担当者 / 投稿日:2025/1/29

最近、都心近郊のマンション火災において、住民(特に高齢者)が死亡するケースが幾つか報道されていた。マンションは災害(地震や火災等)に強いと言われ、防災面においては戸建住居よりも良いと思われている。
マンションは段差等が少ないというだけでなく、防犯面においてもメリットがあり、高齢者の住まいには適しているはずであった。

ところが、火災について言えば、戸建住居に比べて耐火性能が高い躯体や内装資材を使用していることは確かだが、全く火災が起きないのかと言われればそうではない。什器備品や家具衣服等、家庭の中には燃えるものが沢山ある。

マンションの耐火性能が高いということは、延焼(隣りの部屋)については非常に強いが、火災が起きた部屋でどう逃げるかという点については問題がある。火災が起きた場合にどこに逃げるのか?足の悪い高齢者の場合は大問題になる。通常のマンションでは、二方向避難の原則がある。玄関方向ともう一つ避難経路を確保することが法的に定められている。普通はバルコニーがもう一つの避難経路にあたる。

タワーマンションのように梯子車が届かないような高層階の場合には、スプリンクラー等の追加設備を設置することで、様々な対策を講じている。
単にバルコニーに出るだけでは避難したことにはならない。別の階のフロアーや隣接する部屋に逃げなければ、煙に巻き込まれてしまう。バルコニーにある隣の部屋との境界の壁は緊急時には破壊することができ、隣の部屋に避難することができる。もしくはバルコニーの床に避難ハッチがあり、そのハッチの付属梯子を利用して下の階に避難することができる。
これなら安全と言えるのでしょうか。
境界の壁の裏側に通行困難な障害物(植栽等)があったら?
避難ハッチの上に移動困難な重量物が置いてあったりしたら?
避難ハッチが開き梯子が使えたとしても、足の悪い高齢者が適切に素早く利用することができるのか?
訓練等で実際に梯子を使って下りたことがある人はどのくらいいるのだろうか。

このような状況の中で、火災による死亡事故が複数発生している。ではどう対策したら良いのか?

法律を改正して、消火設備についての追加設置を義務づけるのか?
全てのフロアーにスプリンクラーを設置させるのか?これは高額な費用が必要になってしまう。

現実的な対策としては、火災が起きた場合にどう避難すべきなのかを想定しておくことだ。
階層、住人の障害度合い等あらゆる状況を考慮した避難計画を立案し、訓練を行い、備えることが必要不可欠だ。
火災が起きた時、貴重品の確保よりもまず、何処で火災が起き、何処に逃げるのか。
初期消火も重要だが、身の安全を守るために避難することが何よりも大切だ。
マンションにおける避難訓練の大切さを今一度考える必要があるのではないだろうか。

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