コラム

マンションの配管リフォームの注意点は?配管の種類やリフォームのタイミングを解説

マンションで使われる配管の種類と特徴

マンションの配管は壁や床の内部を通っているため、普段は目に見えません。しかし、マンションの築年数が経つにつれ、配管は劣化が進行していきます。その結果、赤茶色の水が出たり、異物が排出されたり、水量が減ったりするため、なるべく早い段階で配管リフォームを行いましょう。

本記事では、マンションで使われる配管の種類や、リフォームが必要なタイミング、配管リフォームの注意点を分かりやすく解説します。

マンションで使われる配管の種類と特徴

マンションで使われる配管の種類と特徴

マンションのリフォームというと、キッチンやトイレ、ユニットバスの交換、壁紙やフローリングの張り替えなど、目に見える部分の修繕工事をイメージするかもしれません。しかし、普段は目に見えない配管も、マンションリフォームで優先度が高い場所の一つです。

マンションの配管には、給水管、給湯管・浴槽配管、排水管など、さまざまな種類があります。マンションの配管リフォームをする前に、主な配管の種類や特徴を確認しておきましょう。

給水管

給水管は、水道施設から各家庭へ水を送るための配管です。水道局の配水管から分岐し、各家庭の蛇口までつながっています。戸建てとマンションでは給水管の仕組みに違いがあり、マンションの場合は、敷地入口部分から各部屋まで通る共用部分と、各部屋を通る専有部分の2種類に分かれており、住人が工事できるのは専有部分のみです。

給水管には、耐用年数が長い樹脂製のポリエチレン管やポリブテン管、塩ビ管等が近年では使われています。樹脂製の管は耐食・耐薬品性に優れています。一方、築年数が古いマンションでは、劣化が進行しやすい金属系配管(鉄管)が使われていることもあり、その場合は25~30年程度の期間を目安に交換が必要です。

給湯管

給湯管は、給水管で送られてきた水を給湯設備で温め、お湯を供給するための配管です。例えば、浴室や洗面所、キッチンなどで使われるお湯は、給湯管を通じて供給されています。給湯管には穴があきやすい(ピンホール)銅管が使われることが一般的でしたが、近年は耐久性を高めた耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管(HTVP管)や樹脂管を採用するケースも増えています。

排水管(汚水管)

排水管は汚水管を含み、生活排水を下水に流すための配管です。例えば、浴室、洗面所、キッチン、トイレなどから出た水は、排水管を通って公共下水道へ流れていきます。排水管には、洗剤などの薬品を含む水が流れるため、耐食性に優れた硬質ポリ塩化ビニル管が使われることが一般的ですが、往年は鋳鉄が使用されていることもありました。

浴槽配管

浴槽配管は、お風呂の湯はりや追い焚きに使われる配管です。追い焚きは給湯設備で温めたお湯をお風呂に送る配管と、浴槽の水を給湯設備に戻す配管の2本を追い焚き用ペアチューブと呼びます。給湯管と同様に、追い焚き用ペアチューブには熱に強い被覆銅管の他、耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管が使われます。

マンションの配管リフォームが必要なタイミング

マンションの配管は壁や床の内部にあるため、目視では状態が分かりませんが、例えば水回りに以下のような不具合が出たら、配管リフォームを検討するタイミングといえます。

● 蛇口から赤茶色の水が出た場合
● 水道の水量が減少した場合
● 水漏れが発生している場合
● 水を捨てるときの流れが悪い場合

マンションの築年数が25年を超えると、配管の経年劣化が目立ち始めます。上記の症状が出た場合は、早めに配管リフォームを検討しましょう。

マンションの配管リフォームの注意点

マンションの配管リフォームの注意点

マンションの配管リフォームの注意点は、大きく分けて3つあります。

● マンションの管理規約をしっかり確認する
● 床の種類で工事費用が高額になる可能性がある
● 水回りのリフォームも同時に実施することを検討する

マンションの管理規約によっては、一部の配管工事が認められない可能性があります。配管の状況や床の種類を確認するためにも、あらかじめ管理規約や図面などに目を通しておきましょう。また、配管工事と同時に水回りのリフォームを実施すれば、リフォーム費用の節約につながります。

1. マンションの管理規約をしっかり確認する

配管リフォームの1つ目の注意点は、マンションの管理規約を確認することです。マンションをリフォームする場合、工事が可能なのは各部屋の専有部分のみです。配管の共用部分、専有部分を区別し、リフォームが可能な場所かどうか確認する必要があります。配管の状況を調べたい場合は、図面や工事履歴を確認しましょう。

マンションによっては、管理組合の判断により、専有部分であってもリフォームが認められないことがあります。マンションの管理規約には、リフォームができる場所とできない場所が記載されているため、配管リフォームをする前にしっかり確認しておきましょう。

2. 床の種類によって工事費用が高額になる可能性がある

2つ目の注意点は、マンションの床の種類や構造等によってリフォーム費用が高額になる可能性があることです。マンションの床の構造は、躯体(コンクリート)の上にスペースを設けた二重床と、躯体の上に直接床組をした直床の2種類が一般的です。

二重床のマンションの場合、躯体の上のスペースを利用して配管工事を行えるため、リフォーム費用が比較的安い傾向にあります。一方、直床のマンションの場合、床をはがしたり、配管を通すスペースを確保する必要があるため、解体費用と原状回復費用が合算され、リフォーム費用が膨らむ可能性があります。直床のマンションにお住まいの方は、リフォーム費用を通常より多めに見積もっておくとよいでしょう。

3. 水回りのリフォームも同時に実施する

3つ目が、同時に水回りのリフォームも検討することです。トータルのリフォーム費用を抑えたい場合は、トイレやキッチン、お風呂など、水回りの修繕も一緒に行うのがおすすめです。配管リフォームと水回りのリフォームを分けると、リフォーム工事のたびに壁や床を解体し、再度原状回復しなければなりません。配管リフォームと水回りリフォームを一緒に行えば、リフォーム工事の二度手間を防止し、長い目でみたときに総工事費用を抑えることができます。

水回りの不具合が発生したら、配管リフォームを検討しよう

「蛇口から赤茶色の水が出た」「水道の水量が減少した」といったトラブルが続く場合、マンションの配管が劣化している可能性があります。水回りのリフォームを実施して、配管を交換しましょう。配管の状況は目視では分からないため、経年劣化のサインを見逃さないことが大切です。

マンションによっては、管理組合が一部の工事を制限しているケースもあります。配管リフォームを実施する前に、管理規約や図面などの重要書類に目を通しておきましょう。また、マンションが直床の場合、通常よりもリフォーム費用が高くなる可能性があるため、床の種類を確認しておくことも大切です。マンションの配管工事の注意点を知り、リフォームに関するトラブルを防止しましょう。

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