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ビルピット清掃とは?

ビルピット清掃とは?

ビルの管理においてビルピット清掃を定期的に実施しないと、さまざまなトラブルを招きます。本記事では、ビルピット清掃の頻度や方法を詳しく解説します。適切な頻度と清掃方法を知り、ビルの環境を維持しましょう。

ビルピット清掃とは?

ビルピットとは、ビルの中で発生した排水を一時的に溜めておく排水槽のことです。
それを定期的に清掃することをビルピット清掃といいます。

地上階で発生した排水は、通常は自然流下で排水管を通って下水道管へ向かいます。
しかし、下水道よりも低い位置にある地下施設で発生した排水は、ポンプで汲み上げなければ下水道管に移動させることができません。その際に、一時的に排水を溜めておく場所が必要になるため、地下施設があるビルにはビルピットが設置されています。

ビルピットに貯留する排水の種類はさまざまで、排水の質によって異なる浮遊物や沈殿物が発生します。ビルピット清掃では、そのようなポンプで汲み上げることができない残留物を清掃し、ビルピット内を適正な状態に保ちます。

ビルピット清掃が必要な理由

ビルピット清掃は定期的な実施が義務付けられています。その理由は、長期間清掃をしないとさまざまなトラブルが発生するためです。ここからは3つの理由について詳しくご説明します。

1. 悪臭や害虫の発生を防止する

ビルピット内に貯留する排水は、ポンプによって下水道管に運ばれます。しかし、浮遊物や沈殿物はそのまま残り、汚泥として蓄積されます。

長期間放置された汚泥は、悪臭や害虫が発生する原因に。また腐食性ガスが発生するため、ビルピット排水ポンプの劣化が早くなってビルの資産価値が低下します。

さらに発生した悪臭や害虫は、排水ポンプを通って雨水ますや公設ますに広がる恐れがあり、施設内だけの問題では済まされません。周辺施設や公共の衛生維持の観点からも、ビルピット清掃は必要です。

2. 正常な動作を維持する

ビルピット内には、排水を正常に行うためのポンプやレベルスイッチなど、重要な設備があります。ここに溜まった汚泥が付着したり、腐食性ガスによって劣化したりすると、正常な動作ができなくなって不具合が発生します。

そうした問題を早期に発見して処理するためにも、定期的な清掃が欠かせません。

3. 劣化や破損を発見する

ビルピットは内部に排水を溜める性質上、どうしても経年劣化が進みます。定期清掃を行っていれば、槽壁の脱落や配管の破損など、ビルピット本体の破損も発見しやすくなります。

ビルピットに深刻な問題が発生した場合は、地下施設の運用を停止しなくてはいけません。特に施設にテナントが入っている場合、その影響は非常に大きくなります。早い段階で劣化や破損を見つけていれば、改修もしやすく、余裕を持って工事の計画を立てられるでしょう。

ビルピット清掃の目安

ビルピット清掃は、建築物における衛生的環境の確保に関する法律(※)によって6カ月に1度の実施が義務付けられています。

しかし、この6カ月に1度の頻度での掃除は最低限のラインです。東京都のビルピット対策指導要綱では、清掃の頻度は4カ月に1度とされています。(※)また、ビルピットに貯留する排水の質や量によって、沈殿物の量は変わります。そのため、ビルピット清掃の目安は施設にあわせて変えなくてはいけません。

ビルピットは清掃に加えて定期点検も必要な設備です。定期点検は1カ月に1回実施し、その際に問題があればその都度清掃や修理が必要になります。

※出典:e-Gov法令検索「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC1000000020,(参照:2022-12-14)

※出典:東京都福祉保健局「ビルピット対策指導要綱」
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kankyo/eisei/kenchikubutsu-eise/building_pit.html,(参照:2022-12-14)

ビルピット清掃の方法

ビルピットの清掃は、廃棄物処理法の許可を持った正規の事業者に委託する必要があります。ビルピットに溜まる汚泥は、排水の種類によって一般廃棄物または産業廃棄物として、適切に処理をしなければいけないためです。排水別の一般廃棄物と産業廃棄物の区分は以下のとおりです。

排水の種類 排水の内容 水槽の種類 廃棄物種別
汚水 トイレ排水を含んだ排水 排水槽 一般廃棄物
雑排水・厨房用排水 手洗い・厨房・浴室・清掃などの排水 雑排水槽 産業廃棄物
湧水 躯体の隙間から内部に流入する地下水 湧水槽 産業廃棄物
雨水 雨水 雨水槽 産業廃棄物

清掃業者を選定する際は、業者が持っている許可を十分に確認しましょう。廃棄物処理の許可を持っている業者は、必ず許可証を持っています。

また清掃完了時には搬入伝票を受け取り、廃棄物の内容を確認することも忘れてはいけません。

ビルピット清掃は定期的に実施しよう

ビルピットは定期的な清掃と点検で、適正な状態を保つ必要がある設備です。清掃が長期間行われないと、内部に溜まった汚泥が悪臭や害虫を発生させたり、ビルピットの劣化を早めてしまったりする恐れがあります。

ビルピット清掃で発生する廃棄物は、一般廃棄物か産業廃棄物に分類されます。そのため、清掃は廃棄物処理の許可を持った業者に依頼しなくてはいけません。

ビルの資産価値を維持し、周辺環境を悪化させないためにも、適切な頻度と方法でビルピット清掃を実施しましょう。

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