- 給水設備の積水工業TOP
- コラム一覧
- その他一覧
- 電気保安点検の重要性や実施内容について
電気保安点検の重要性や実施内容について
電気保安点検を適切に行うことで、毎日安全に電気を使うことができます。電気保安点検を怠ってしまうと、思わぬ危険が及ぶ可能性もあるため、注意が必要です。
本記事では電気保安点検の重要性や点検方法などについてご紹介します。電気設備に不安がある方や電気保安点検の詳細を知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
電気保安点検の基本情報
電気保安点検と聞いても、その概要や重要性を正しく認識している人は少ないのではないでしょうか。まずは電気保安点検について基本情報を理解しましょう。
電気保安点検は任意ではなく義務
電気保安点検とは、電気設備の安全維持を目的として定期的に行われる点検のことです。この点検は任意ではなく、電気事業法によって実施することが義務付けられています。つまり、電気工作物(高圧受電)の使用者・所有者は、自分で点検を依頼しなければなりません。
電気工作物とは電気を供給する設備などの総称で、発電所や変電所、オフィス、住宅などの受電設備のことを意味します。電気工作物の種類は主に以下の3つです。
概要 | |
一般用電気工作物 | ・一般家庭や小規模な事業所などが該当する ・電気事業者から600ボルト以下の電圧で供給されている電気工作物のこと ・電圧が低いため、保安に関する規制が少ない |
事業用電気工作物 | ・電力会社や工場などが該当する ・一般用電気工作物以外の電気工作物のこと ・電圧が高いため、安全確保のための適切な措置が必要となる |
自家用電気工作物 | ・発電所や変電所など、高圧または特別高圧の需要設備を持つ施設が該当する ・電気事業者から600ボルトを超える電圧で供給されている事業用電気工作物のこと |
自家用電気工作物においては、電気事業法の第42条第1項によって保安規定を定めることと、第43条第1項によって電気主任技術者を選任するように定められています。自家用電気工作物に該当する場合は、定期的に点検を実施し、結果を記録・保存する義務を負っています。
[注1]e-Gov法令検索「電気事業法」(参照:2022-11-16)
電気保安点検が重要な理由
電気設備を毎日安全に使えることは当たり前ではありません。長期間継続的に使用することで老朽化が進み、機能や効率が低下し、絶縁劣化が起こることもあり、その状態を放置すれば故障停止や停電は避けられないでしょう。
もし、保安管理を怠ったことが原因で何らかの重大事故が起きた場合、所有者・使用責任者が全責任を負うことになります。最悪の場合、電気事業法に従って罰金を支払うことにもなりかねません。このような事態を避けるために、電気保安点検を定期的に行う必要があります。
電気保安点検の内容と4つの種類
電気保安点検には4つの種類があり、点検内容やタイミングは使用する電気設備によって異なります。どんな点検を行うべきか、定期的に確認し、忘れずに点検するようにしましょう。
1. 月次点検
月に1回のペースで実施するのが月次点検です。使用中の電気工作物を点検したり数値測定を行ったりすることで、電気を使用する際の危険の有無を確認します。具体的には、電気保安の作業員が配線状況や保安装置を目視で確認したり、電圧・電力を測定して過負荷がないことなどを丁寧にチェックしたりするのです。何らかの異常がある場合は使用責任者に報告し、安全に使用できる環境に整備します。
点検の内容やタイミングは、電気工作物の種類や使用環境によっても異なるため、詳細は電気保安点検を行う電気管理技術者(電気主任技術者)などに直接問い合わせましょう。
2. 年次点検
年に1回のペースで受けるのが年次点検です。月次点検とは点検方法が異なり、電気設備を停電させた上で電気工作物の状況を点検します。具体的には絶縁抵抗測定を行ったり、機器の内部点検や、部分放電・機器温度の測定などを行ったりします。
もし点検結果が法律の基準を満たしていない場合は、状況改善が必要です。年次点検は停電状態で行う必要があるので、業務に支障が出ないように事前に業者との打ち合わせをしておきましょう。また、機器の使用状況が安定している場合は点検頻度の間隔が長くなり、場合によっては3年に1回ペースになる場合もあります。
万が一、点検結果が基準を下回り、状況改善が必要になった場合に備え、信頼できる専門業者に点検から保全までの一切を任せると安心です。(事故の内容によっては経済産業省 関東東北産業保安監督部に報告が必要になる場合があります)
3. 臨時点検
月次点検や年次点検は定期的に実施されるのに対し、臨時で行われる点検を臨時点検と呼びます。電気設備がいつもとは異なる動きをしたり、危険が予想されたりする場合などに実施する点検です。
臨時点検が必要になりやすいタイミングは以下の通りです。
・梅雨の時期
・雷雨の多発期
・降雪期
・降灰期
このような時期は電気工作物に異常が起こりやすくなります。リスクを回避するために、これらの時期よりも前に、臨時点検を実施したり専門業者に電気事故防止の対策を依頼したりする必要があります。事故が起きてからでは手遅れになってしまうので、早めの点検を心がけましょう。
4. 電気事故対応
電気事故対応は、既に何らかの事故が起きた際に行う点検のことを指します。電気事故対応が必要なケースで多いのが停電です。この場合、作業員が電気事故の原因を突き止めて問題を解決し、再発防止のための対策を講じます。電気事故は緊急性が高く危険も伴うため、事故が発生した際にいつでも対応してくれる、信頼できる業者を見つけておくと安心です。
安全に電気を使用するためには電気保安点検の実施が必須
電気保安点検は法律で義務付けられており、電気設備を安全に使用するために欠かすことができないものです。万が一、点検を怠り、何らかの事故が起こった場合は罰金などのペナルティを負う場合があります。
電気保安点検には4つの種類があり、使用する電気設備や状況によって受けるべき点検が変わります。電気保安点検は専門業者に依頼し、安全に電気を使用していきましょう。