コラム

空調設備工事とは

空調設備工事とは

空調設備工事は、私たちの生活を維持するために欠かせないもので、故障すると大きな被害が出ます。適切な工事と、正しい知識でトラブルを未然に防ぎましょう。

本記事では空調設備工事の基本や種類、必要性について解説し、空調設備工事の大切さを伝えます。

空調設備工事とは

空調設備工事とは

空調設備工事は、室内の換気や温度、湿度などを整えて、快適な空間を作るために行う工事のことです。
身近な例だと、エアコンの取り付け工事が挙げられます。エアコンの室内機・室外機の取り付けや、それに伴う電気工事、配管工事など、空調設備の稼動に必要な工事全般が空調設備工事に当てはまります。

● ボイラー
● ヒートポンプ
● 換気設備
● 排煙設備
● 冷凍機
● 冷温水機

エアコン以外だと、これらの新設や取り換え、それに伴うダクトや配管工事も空調設備工事です。

空調設備工事の必要性

空調設備工事の必要性

空調設備工事が必要な理由は、単純に快適な空間維持のためだけではありません。空調設備工事が必要な4つの大きな理由をお話しします。

1. 健康を維持するために必要

近年は夏場では40度を超える猛暑日が続いたり、冬場の厳しい冷え込みがあったりします。とくに夏場は、熱中症の危険性が高い時期です。

厳しい環境で健康を維持するためには、空調設備工事による室温の調整が欠かせません。適切に保たれた室温はストレスの軽減にもつながります。
また、ハウスダストや花粉、臭いなどを減らす空気清浄システムや換気システムは、健康維持に加えてストレスの緩和にも役立ちます。

安全で清潔な空間を作るために、空調設備工事は非常に重要です。

2. 空調が整った空間は生産性や集中力を上げる

暑すぎる、臭いを感じるなど、空調が整っていない空間では、不快感に気を取られがちです。こうした状態では仕事も勉強もはかどりません。

空調設備工事によって適度な室温や清潔な空気を維持し、ストレスを減らすことができれば、仕事や勉強に集中しやすくなるでしょう。

3. 企業や店舗のイメージをアップさせる

訪問した際に、その場所の空気や温度が快適だと、自然と人は好印象を持つものです。オフィスなら取引相手、店舗ならお客様が心地よいと感じる空間は、さまざまな形でプラスに働きます。

また、空調設備の定期的なメンテナンスは節電にもつながるため、省エネや安全に配慮した企業としてイメージも良くなるでしょう。

4. 安全性を確保できる

専門業者による空調設備工事やメンテナンスは、建物の安全確保に必要不可欠です。空調設備は設置した後もメンテナンスや不具合への対応などが必要で、それらを怠ると重大な事故が発生するリスクもあります。

定期メンテナンスを含む適切な空調設備工事は、建物や建物を利用する人たちの安全を確保する上で欠かせないものです。

空調設備の種類

空調設備は大きく分けると5種類あります。それぞれの設備の名称と役割を知っておきましょう。

熱源設備

熱源設備は、冷水や温水を作る設備です。作られた冷水や温水をポンプや配管で運び、空調機で熱交換して冷房や暖房として稼動させます。

役割 空調機で熱交換する際に使う冷水や温水を作る。
主な設備 冷凍機・冷却塔・ボイラー・チラー(冷却水循環装置)・熱交換器など

空気調和設備

空気調和設備は、熱源装置が作った冷水や温水を使い、適度な温度に整えられた空気を送り出す設備です。湿度の調節や、空気内の汚れを除去する装置も含まれます。

役割 温度・湿度・清浄な空気を維持するための装置。
主な設備 冷却コイル・加熱コイル・熱交換器・加湿器・除湿器・エアフィルターなど

熱搬送設備

熱搬送設備はその名のとおり、熱源装置から冷水や温水を搬送するための装置です。

役割 熱源設備と空気調和設備をつなぐ装置や、温冷水を送り出す装置。
主な設備 配管類・ダクト類・送風機・ポンプなど

換気設備

換気設備はすべての建物で設置が義務付けられている、室内で汚染された空気を屋外のきれいな空気に入れ替える設備です。

役割 室内の空気を室外に排出し、室外から新しい空気を取り入れる装置。
主な設備 給気ファン・排気ファン・換気扇など

排煙設備

延べ面積が500㎡を超える建築物では、必ず設置しなくてはいけない装置で、火災時に煙を外に排出します。

役割 火災時に発生する煙を屋外に排出し、避難時間を稼ぐための非常時に使う装置。
主な設備 排煙口・排煙風道など

オフィス・テナントビルの空調設備工事

賃貸契約をして利用するオフィスやテナントビルの場合、空調設備工事は少し複雑になります。責任の所在や費用の負担、原状回復の必要性などを理解しておきましょう。

オフィス・テナントビルの工事区分

オフィスやテナントビルに工事を行う際は、A工事・B工事・C工事があります。3つの工事区分で違うのは、工事の責任と費用負担がどこにあるかという点です。それぞれの違いを知っておきましょう。

【A工事】

工事の責任 ビルのオーナー
費用の負担 ビルのオーナー

A工事では、工事の発注や業者の選定などをすべてビルオーナーの判断と責任で行います。建物の本体部分や共有部分の工事・メンテナンスがA工事に該当し、基本的に借主が費用を負担することや、何らかの責任を負うことはありません。

【B工事】

工事の責任 ビルのオーナー
費用の負担 借主

B工事では工事の発注や業者の選定をビルオーナーが行います。A工事と違う点は、その工事の費用の負担が借主にある点です。
専有部分であっても、工事を行うことで建物本体に影響が出る可能性がある部分の工事がB工事に該当します。専有部分であるため、費用負担は借主になるわけです。
専有部分の排気・空調設備など、建物に影響を与える工事が主にB工事に該当します。

【C工事】

工事の責任 借主
費用の負担 借主

C工事では工事の判断や業者の選定から、支払いまでをすべて借主が行います。該当するのは専有部分のみに収まる作業で、建物本体に影響のない工事です。
具体的には照明機器の交換やインターネット回線の工事、配線工事、内装の張り替えなどが該当します。

空調設備工事はB区分かC区分になる

オフィスやテナントビルの空調設備工事は、B工事かC工事になることがほとんどです。どちらの工事になるのかは、物件や賃貸契約、工事の内容によって異なります。

C工事になる場合は、業者の選定を借主ができるため、見積りを取って納得した上で依頼することが可能です。

しかし、B工事になった場合は、空調設備工事業者をビルのオーナーが指定した業者の中から選ぶことになります。その場合は選択の幅が狭く、費用が高くなりやすいです。空調設備工事を行う予定がある場合は、オフィスやテナントの賃貸契約をする前に工事区分を確認しておくとよいでしょう。

また、B工事の場合は、借主の負担で工事を行っていても、設備の所有権はオーナーになることがほとんどです。

原状回復時にも空調設備工事が必要になる

オフィスやテナントビルから退去する際は、基本的に原状回復をしなければいけません。

空調設備工事を行う際には、電気工事や配線工事なども同時に行います。それらも含めて原状回復をしなくてはいけないことがありますので、退去時に再度空調設備工事が必要になります。

何年も賃貸契約をしていると、入居時の工事内容が曖昧になりやすいです。トラブルを予防するために、工事の内容と工事区分はしっかりと書面にして残しておくことをおすすめします。

空調設備工事に必要な資格

空調設備工事は、電気系統の工事を除けば必ずしも必要になる資格はありません。しかし、より幅広い工事を安全に行うためには、取得しておくのが望ましい資格があります。

管工事施工管理技士

管工事施工管理技士は国土交通省が管轄する国家資格の1つです。この資格を保有する人は、配管工事の施工計画を作ることや、工程・安全・品質の管理を行えます。

空調設備工事でほぼ必須といえる、冷暖房設備や給排水ダクトなどの工事の専門知識を有したプロとして認められます。

管工事施工管理技士には1級と2級があり、1級を取得している場合は主任技術者と管理技術者・専任技術者になることが可能です。

電気工事士

電気工事士も国家資格の1つで、電気設備を取り扱う際に必要な資格です。空調設備工事では電気工事が付随して必要になることがほとんどであるため、保有しているとより幅広い業務が可能になります。

電気工事士は第一種と第二種に分かれており、第一種電気工事士の資格を持っていると、大規模施設の電気工事や、高圧送電線の工事などが可能です。

認定電気工事従事者

認定電気工事従事者は、第二種電気工事士では行えない工事範囲を取り扱えるようになる資格で、第一種電気工事士の資格を取るまでのつなぎとして取得する人が多いです。

第二種電気工事士の資格を保有していれば、申請のみ、あるいは講習のみで取得することもできます。

冷凍機械責任者

冷凍機を始めとした冷凍機械の保守管理や、点検の立ち合い、監督などを行えるようになる資格です。空調設備工事では、主に冷房用の冷凍機の配置やメンテナンスの際に役立ちます。

冷凍機械責任者は3種類に分かれており、取り扱える設備の冷凍能力の大きさに違いがあります。1日の冷凍能力が100トン以上の空調設備工事やメンテナンスに携わりたい場合は、第二種以上の資格が必要です。

空調設備工事は暮らしを守るために必要

近年はほとんどの施設・住宅に設置されている空調設備は、あって当たり前のものになりつつあります。

しかし、空調設備は設置しただけでは十分ではなく、定期的なメンテナンスや修繕が必要です。1年中、安全で快適に過ごすためには、専門的な知識を有する業者に工事とメンテナンスを依頼してください。
空調の維持は健康維持と、さまざまな作業や学習の効率アップにもつながります。

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