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【エアコンのトラブル】ドレンホースの詰まりの原因と対処法
四季のある日本では、年間を通して温度差が非常に大きいです。そのため住宅で快適な生活を送るためには、エアコンは欠かせないアイテムでしょう。
エアコンは日常的に多く稼働させるからこそ、定期的なお手入れが必要になるものです。お手入れをせずにそのままエアコンを使用し続けた場合、さまざまなトラブルの原因につながる可能性があります。
本記事ではエアコンのトラブルの中でもドレンホースが詰まってしまう原因とその対処法を詳しく解説します。
※本記事でご紹介する対処方法は一般的な方法となります。実際に行う際は対象商品の説明書などを確認し、メーカーが推奨する方法で行うようにしてください。
目次
エアコンの水漏れはほとんどがドレンホースに原因あり
エアコンを使用していると、まれに水漏れが発生する場合があります。水漏れとは室内に備え付けられている室内機から水が流れて出てきてしまう現象です。
このエアコンの水漏れは、ドレンホースに原因がある可能性が高いです。ドレンホースとは、室内機の内部に発生した結露を取り除くためのもので、壁から外の室外機に通じており、その傍にある細いホースのことです。
排水不良を起こさないために、潰れにくいジャバラ状になっているため、ゴミが詰まったり、引っかかったりすることがあります。
エアコンの水漏れの原因について、さらに細かく見ていきましょう。
ドレンホースの内部が塞がっている
エアコンと壁の間、あるいはエアコン本体を伝うような水漏れが見られた場合、これはドレンホースが詰まっていることがほとんどです。
ドレンホースの排水口は屋外に通じており、ほこりや落ち葉、虫などが侵入することで詰まりが発生してしまう場合があります。排水するためのドレンホースが詰まれば、行き場を失った水はエアコンの内部へと逆流してしまいます。またドレンホースの先が石や植木鉢によって塞がれていると、詰まっている場合と同様に排水されず室内機に向かって水が逆流してしまいます。
ドレンホースの排水口が水たまりに浸かっている場合も同様です。雨が降ったあとにエアコンの水漏れが見られた場合は、ドレンホースを確認しましょう。
この他、ドレンホースが長すぎるのも、水漏れの原因の一つです。
長すぎるためにドレンホースが曲がってしまい、水の流れが悪くなることでうまく排水されなくなります。
ドレンホースのトラブルを解決する方法
ドレンホースの詰まりが原因で発生した水漏れは、自力でドレンホース内の詰まりを掃除機で吸い出す方法で十分に解決が見込めるでしょう。
用意するのは、以下の4点です。
・割り箸または掃除用の歯ブラシ
・掃除機
・ガーゼ、またはさらし
・輪ゴム(2本程度)
この方法は自力でも簡単にできますが、水や詰まりの原因となったゴミが掃除機の内部に入ることで故障や悪臭を引き起こすことがありますので、十分に注意して行ってください。
まずは、割り箸や掃除用の歯ブラシを用いて、届く範囲でドレンホースの排水口にあるものをかきだしましょう。前述のとおり排水口は土やほこりが詰まりやすいため、これだけで詰まりが解消できる場合もあります。
続いて、ドレンホースの排水口にガーゼ、またはさらしを巻きつけて、輪ゴムで固定させてください。
最後に先の細いノズルに交換した掃除機を排水口に当てて吸いだします。
このとき、完全に詰まりを吸い出すのではなく、2秒ほどですぐにノズルを離してください。詰まりが取れることで流れてきた水を掃除機が吸ってしまうのを防ぐためです。
2秒ほど吸って、巻きつけていたガーゼを外してドレンホース排水口を下に向けると、水が出てきます。
詰まりが完全に解消されないのであれば、同じ工程を再度繰り返してください。
掃除機がない場合の解決法
ご家庭によって、掃除機がない場合もあるでしょう。また、故障や悪臭の原因にもなりかねないので、掃除機を使用しない方法で解決したいと考える方もいるかもしれません。
その場合は、ホームセンターなどで購入できるドレンホース用のサクションポンプを用いてください。
サクションポンプは注射器のような仕組みになっている手動の真空ポンプです。
使い方は簡単で、ハンドルを一番下まで下げた状態で、先端をドレンホースに差し込み、差し込んだ部分が外れないように手で掴みながら、サクションポンプのハンドルを勢いよく引っ張ります。
これを何度か繰り返しますが、引っ張る前は必ずドレンホースからサクションポンプを抜き、空気を抜いてから再び差し込んでください。
差し込んだままだと、ドレンホースに詰まっていた水が室内に逆流する可能性があります。
ドレンホース内に溜まっていた水やゴミが一気に流れて出てきたら、詰まりが解消された証拠です。
サクションポンプの一般的な使用方法を紹介しましたが、メーカーによって方法や注意点は異なりますので、あらかじめ取扱説明書をよく確認しておきましょう。
ドレンホースの詰まり以外に水漏れが起きる3つの原因と対処法
エアコンが水漏れしている場合、ドレンホースの詰まりを解消してあげることで解決する場合がほとんどです。しかし、この他にも水漏れが起こる原因となるものは考えられます。
ここでは、ドレンホースの詰まり以外にエアコンに水漏れが起こる原因と対処法を3つ紹介します。
1. 気温差によるもの
吹き出し口から水滴がぽたぽたと垂れてくる場合、設定温度に原因がある可能性が高いです。設定温度を低くしすぎたり、風向きが下になっていたりすると内部に溜まった結露がドレンホースではなく、室内に出てきてしまいます。この場合、設定温度を20度以上にするか、あるいは風向きを上にすることで改善できるでしょう。
2. エアコンの設置不良
設置したばかりのエアコンがいきなり水漏れを起こすことはあまり考えられません。もし購入したばかりのエアコンで水漏れがある場合は、設置不良が考えられるでしょう。
エアコンは適切な角度で取り付けられている必要があります。傾いたまま設置すると、ドレンホースに水が流れていかなくなり、室内機の内部で水が溢れ出てしまうのです。
エアコンの角度を直すために、段ボールやタオルなどを挟むことで応急処置が行えます。そのまま使用し続けているとエアコンが落下してしまうかもしれませんので、できるだけ早く業者に連絡をしましょう。
3. 室内の気密性が高まっている
室内の気密性が高まり条件を満たすと、エアコンの水漏れが発生してしまいます。
その条件が以下の3つです。
・エアコンを稼働し続ける
・換気用の設備(特にレンジフード)が稼働している
・窓が閉まっている
空気は気圧の高いところから低いところに向かって流れる性質があります。上記3つの条件を満たすと室内の気圧が低くなるため、外の空気がドレンホースに伝わって入ってきます。
そのため、排水されるはずだった水も一緒に流れてきてしまいます。
エアコンの水漏れを事前に予防する方法
ドレンホースの詰まりをはじめ、エアコンの水漏れは日頃から予防することが可能です。突然の水漏れによって決して清潔とはいえない水で室内が水浸しになるかもしれませんので、あらかじめ対策しておきましょう。
自力で簡単に実践できる予防方法
ドレンホースに土や葉、虫などが侵入することで詰まりが発生してしまうため、それを防ぐためにキャップを取り付けることが対策として効果的です。ドレンホース用のキャップは比較的安価なもので、ホームセンターなどで簡単に入手できます。
土や葉はともかく、虫はドレンホースの内部へどんどん侵入してしまうため、キャップを用いて防ぐようにしましょう。キャップの網目部分に土や葉が挟まってしまえば結局は詰まりができてしまうので、定期的にお手入れしてあげることも大切です。
定期的(1ヶ月/1回)に行いたいエアコンクリーニング
エアコンは、定期的にクリーニングを行うことが推奨されます。フィルター掃除のほか、室内機の内部にほこりやゴミが溜まっていけば、それがドレンホースに水と一緒に流れていき、やがては詰まりになってしまう恐れがあります。
エアコンのクリーニングには、以下の3つが必要です。
・掃除機
・掃除用の歯ブラシ
・中性洗剤
基本的に、大まかな汚れは掃除機を用いて取り除いてください。エアコンのカバーを開けて、掃除機が届く範囲の汚れをどんどん吸い取っていきましょう。
表面のほこりを取り除いたらフィルターを取り外し、水洗いで洗い流します。
シャワーをかける際は、ほこりが付いている面の反対側から行うのがポイントです。ほこりが付いている面に直接シャワーをかけると、フィルターの網目にほこりが詰まってしまうからです。また、がんこな汚れは掃除用の歯ブラシと中性洗剤を使用しましょう。
しばらくエアコンのクリーニングを行っていないのであれば、プロの業者に依頼することも検討した方がよいでしょう。
確実にドレンホースの詰まりを解消するならプロに依頼しよう
エアコンのトラブルのほとんどがドレンホースの詰まりによるもので、掃除機やサクションポンプなどを使用すれば自力で簡単に対処できるケースが多いです。
しかし、掃除機やエアコンのメーカーが推奨している使用方法ではなく、やり方によっては故障してしまう可能性がないとはいいきれません。また、使用環境や詰まり具合によっては、自力で解決できないこともあるでしょう。
エアコンの故障のリスクが懸念されたり、自力では解消できなかったりするトラブルについては、無理に行わずプロに依頼することをおすすめします。