コラム

マンション管理士の仕事内容や給与について解説します

マンション管理士の仕事内容や給与について解説します

株式会社東京カンテイの調べによると、全国のマンション化率(世帯数におけるマンション戸数の割合)は12.75%に達し、およそ8人に1人がマンション住まいをしています。[注1]
一方で、高度経済成長時代に建設されたマンションが老朽化し、マンションの維持管理の必要性が増しています。そこでニーズが高まっているのが、マンションの管理に携わる「マンション管理士」です。多くの人がマンション住まいを選び、建物の維持管理の必要性が増している今、マンション管理士の存在は必要不可欠です。
この記事では、マンション管理士の仕事内容や平均給与をわかりやすく解説します。

マンション管理士の3つの仕事内容

マンション管理士とは、修繕計画の作成や管理組合の運営、住民同士のトラブルの解決など、マンションの管理に広く携わる仕事です。マンション管理士は独占業務ではないため、必ずしも国家資格のマンション管理士を取得しなければならないわけではありませんが、多くの方がマンション管理士試験を受験しています。(登録して初めてマンション管理士を名乗れます)
まずはマンション管理士の主な3つの仕事内容を見ていきましょう。

1. 管理組合の運営をサポートする

マンションの維持運営をおこなう管理組合は、マンションの購入者(区分所有者)で構成されます。
しかし、区分所有者は一般の住人の方々であり、マンションの運営に必要な民法、区分所有法、被災マンション法といった法律・訴訟・判例の知識や、管理費や修繕積立金を適切に管理するための会計知識がありません。
そこで、マンション管理のプロフェッショナルであるマンション管理士が立ち会い、管理組合の運営をサポートするのが一般的です。具体的には、理事会や管理組合総会の運営や、管理費・修繕積立金の会計監査といった業務をします。

2. 大規模修繕工事の計画を立てる

マンションは築年数の経過にしたがい、外壁のひび割れ、水回りの配管の老朽化といった経年劣化が生じます。マンション住民が快適な暮らしをつづけるため、長期修繕計画を立て、定期的に大規模修繕工事をおこなう必要があります。
その際、不動産に関連する法律や会計実務に詳しいマンション管理士も長期修繕計画の作成に加わり、修繕積立金の会計監査や、大規模修繕工事に必要な諸手続きを代行します。
また、万が一マンションが大規模災害に遭った場合も、マンション管理士が中心となって住民や管理組合へのアドバイスをおこないます。

3. 住民トラブルを解決する

多くの住民が一緒に暮らすマンションでは、住民同士のトラブルが付き物です。隣室や上階の騒音問題、ゴミ出しや駐車場などの共用部分の使い方、喫煙マナーをめぐるトラブルなど、マンションでは日々さまざまな住民トラブルが発生します。
区分所有法をはじめとした、マンション住人にかかわる法律に詳しいマンション管理士は、こうした住人トラブルを仲介し、専門的な見地から解決に導くことが求められます。トラブルの解決に苦労する場面もありますが、マンション管理士は多くの住民と信頼関係を築くことができるやりがいのある仕事です。

マンション管理士の平均年収は455万円

マンション管理士の仕事は、どれくらいの給与がもらえるのでしょうか。求人サイトの「求人ボックス」の統計によると、マンション管理の仕事(正社員)の平均年収は約455万円です。
アルバイト・パートの場合の平均時給は1,001円、派遣社員の場合の平均時給は1,449円です。[注2]
国税庁の「令和元年分 民間給与実態統計調査」によると、日本の平均給与は436万円で、そのうち正規労働者は503万円、非正規労働者は175万円です。[注3]おおむね日本の平均給与と同程度なのが、マンション管理士の平均給与です。

ただし、マンション管理士は定年後のシニア層が働くケースも少なくなく、実際よりも平均給与が低く算出される傾向にあります。マンション管理士の給与はお住いの地域や、所属先のマンション管理会社や不動産会社によって変わるため、その都度確認することが大切です。
また、マンション管理士の資格だけでなく、管理業務主任者、マンション維持修繕技術者、宅地建物取引士などの資格もあわせて取得し、ダブルライセンスを目指すことで、マンション管理士の方は年収を大きく引き上げることが可能です。

マンション管理士として働く3つのメリット

マンション管理士の仕事には、他の職業にはないさまざまなやりがいがあります。マンション管理士として働く3つのメリットを紹介します。

1. 幅広い仕事に関与でき、やりがいを感じられる

マンション管理士の仕事は、管理組合の運営のサポート、大規模修繕工事の計画、管理規約の草案の作成など、マンション管理の幅広い分野に関わるものです。マンションという資産の価値を守るうえで、不動産に関する法律や会計実務の専門家であるマンション管理士の存在は欠かせません。
また、マンション管理士は住民とコミュニケーションをとり、ときに住民同士のトラブルを仲介する業務も求められます。そのため、マンション住民の役に立っていることを実感でき、日々やりがいの感じられる職業です。

2. マンション管理のニーズは高く、将来性がある

高度経済成長時代に建てられたマンションを中心として、分譲マンションの多くで老朽化が進んでおり、マンションの維持管理に当たる専門家のニーズが増しています。
国土交通省の調べによると、2019年末時点で築30年超のマンションは213.5万戸あり、20年後には約4.2倍の384.5万戸に増加することが予測されています。[注4]
このように築30年、40年、50年超のマンションが増加していくなかで、専門家としての立場からマンションの長期修繕計画や建て替えプランの作成に関わり、会計監査によって管理費・修繕積立金を適正化できるマンション管理士はますます必要とされる仕事です。そのため、マンション管理士は今後も必要とされ、将来性のある職業だといわれています。

3. 齢が高くても働くことができる

マンション管理士の仕事は、若い世代だけでなく、中高年やシニア層の方でも働けます。実際にマンション管理士試験を運営するマンション管理センターの公表データでは、50歳以上の受験者が39.6%を占めており、受験者全体のなかでも高い割合です。
マンション管理士の求人には、シニア層を歓迎するものも少なくなく、マンション管理士は定年後の再就職の受け皿にもなっています。中高年やシニア層の方でも第一線で働くことができるのが、マンション管理士の仕事のメリットです。

[注1] 株式会社東京カンテイ:全国のマンション普及率を都道府県・市区町村別に調査
https://www.kantei.ne.jp/report/106karitsu-zenkoku.pdf
[注2] 求人ボックス:マンション管理の仕事の年収・時給・給料情報
https://xn--pckua2a7gp15o89zb.com/%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E7%AE%A1%E7%90%86%E3%81%AE%E5%B9%B4%E5%8F%8E%E3%83%BB%E6%99%82%E7%B5%A6
[注3] 国税庁:令和元年分 民間給与実態統計調査
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan/gaiyou/2019.htm
[注4] 国土交通省:築後30、40、50年超の分譲マンション数
https://www.mlit.go.jp/common/001351558.pdf
[注5] マンション管理センター:令和2年度マンション管理士試験受験申込状況
https://www.mankan.org/pdf/R2_mousikomijokyo.pdf

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