コラム

建築施工管理技士の仕事内容や給与について解説

建築施工管理技士の仕事内容や給与について解説

建築施工管理技士は、建設関係の仕事をするうえで重要な資格のひとつです。幅広い知識とスキルがあることを証明できる国家資格であるため、取得しておけば、さまざまな建設現場で活躍できるでしょう。この記事では、建築施工管理技士の仕事内容や給与について詳しく解説しますので、建設関係の仕事に興味がある方はぜひチェックしてください。

建築施工管理技士の仕事内容を5つのポイントで解説

建築施工管理技士の仕事は、建設現場の監督として、工事が図面どおりに進んでいるかチェックしたり、設計者やクライアントと打ち合わせをしたりすることです。管理する建物の種類は一戸建てやマンション、オフィスビルやショッピングセンターなど幅広く、どのような工事に関わるかは所属する会社や部署によっても異なります。

品質や安全、予算やスケジュールの管理など業務の幅が広く、多くの知識とスキルを求められますが、建物が完成したときの喜びや感動を得られる魅力的な仕事といえるでしょう。以下、建築施工管理技士の仕事内容を5つのポイントで詳しく解説します。

1.設計図どおりに工事を進めるための品質管理

設計図どおりに工事を進めて完成まで導くことは、建築施工管理技士の大きな役割のひとつです。工事を行うために、まずは設計図をもとにして、より詳細な施工図や職人への指示書を作成します。施工が難しそうな部分や、デザイン上とくに重要な部分については、設計者やクライアントと打ち合わせをしながら決める場合もあります。

建築施工管理技士は施工図をもとに、実際に作業を担当する職人へ指示を出さなければなりません。そのうえで、図面どおりに工事が進んでいるかをチェックします。使用している材料や寸法、仕上げの精度などに問題がないかを確認します。図面上の寸法と現場の状況が異なっている場合や精度が低い場合などは、職人に指示して再度施工をさせることが必要です。建築工事は、コンクリート工事、鉄筋工事、ガラス工事、クロス工事などに細かく分かれているため、各工事に関する幅広い知識を習得しなければなりません。

2.工期内に建物を完成させるための工程管理

スケジュールどおりに建物を完成させるために工程を管理することも、建築施工管理技士の仕事です。どのような建築工事にも工期があるため、クライアントへの引き渡し日までに建物を完成させなければなりません。建築施工管理技士は全体工程表や月間工程表などを作成し、遅れが発生しないように注意しながら工事を進めていきます。

天候などによって塗装工事やコンクリート打設が進められない可能性もあるため、余裕をもった工程表を作成することが重要です。建築工事には多種多様な業者が出入りするため、同じ箇所での作業がバッティングするのを避けたり、スムーズに施工が進むように作業順序を調整したりすることも求められます。工程に遅れが発生した場合は、臨機応変に調整して引き渡し日までに完成させなければなりません。建物の規模が大きくなるほど、関わる業者や必要な工事が増えるため、工程管理の難易度も高くなるでしょう。

3.工事中の事故を防止するための安全管理

建設現場の安全を確保することも、建築施工管理技士の業務のひとつです。建設現場では、重機の転倒や資材の落下、職人同士の接触など、さまざまな事故が発生する危険性があります。事故が発生すると、職人が怪我をしたり、建物が壊れたりするだけでなく、工程が遅れてしまう可能性もあります。資材が飛散したり、仮設足場が倒壊したりすると周辺住民にまで迷惑がかかる可能性もあるため注意が必要です。

建築施工管理技士には、安全な施工計画を立案し、現場に危険箇所がないか常にチェックすることが求められます。現場で働く職人に対する安全教育、使用する工具やワイヤーなどの点検、職人の健康状態のチェックなども重要な業務です。

4.利益を確保するための原価管理

建築施工管理技士は、建物を完成させるだけでなく、利益も確保しなければなりません。クライアントとの契約により工事金額は決められているため、そのなかで工事を進めなければ赤字になってしまいます。人件費や材料費、仮設費など、さまざまな費用を管理して利益を確保することが重要です。建築施工管理技士には、資材のコストダウンに関する知識や下請業者との交渉力など、多くのスキルが求められます。

5.安全日誌の作成や工事写真の管理といったデスクワーク

建築施工管理技士の仕事は、現場に出て品質や安全を確保するだけではありません。安全日誌の作成や資材搬入記録の管理、工事写真の整理といったデスクワークもこなす必要があります。その日の作業内容や参加業者を把握して、安全を確保したり、工程を調整したりするためには安全日誌の作成が欠かせません。

壁の内側など、施工が進むと見えなくなる部分も多いため、工事写真を撮って記録を残すことも重要な業務です。クライアントや設計者に提出を求められるケースも多いため、しっかりと整理して管理しておくことが重要です。以上のように、建築施工管理技士の仕事は多岐にわたり、とくに完成直前になると残業も多くなりがちですが、その分、やりがいも大きな仕事といえるでしょう。

建築施工管理技士の給与

建築施工管理技士の活躍の場としては、ゼネコンやデベロッパー、工務店などが挙げられます。ゼネコンに就職する場合は、実際に建設現場で品質管理や工程管理などを行うのが一般的です。デベロッパーで働く場合は、工事を行うゼネコンや工務店に指示を出したり、完成度をチェックしたりするケースが多いでしょう。

建築施工管理技士の給与は就職先によっても異なりますが、平均年収は449万円です。[注1]
以下のように、年齢によっても異なります。

*20代:391万円
*30代:497万円
*40代:581万円
*50代~:620万円

建設現場で働くうえで資格は重要ですが、優秀な現場監督になるためには経験を積むことも大切です。さまざまな経験を積んでいくことで、副所長や所長といった役職も付き、年収もアップしていくでしょう。

[注1]
doda「平均年収ランキング」
https://doda.jp/guide/heikin/syokusyu/#anc_job_06

建築施工管理技士の試験制度は2021年度から変更される

施工管理技士の試験制度は2021年4月から新しくなり、従来の学科試験が第一次検定へ、実地試験が第二次検定へ変更されました。受験資格も緩和されたため、これから試験を受ける人にはチャンスといえるでしょう。これまでは、1級を受験するためには、2級の試験に合格後5年間の実務経験が必要でしたが、2021年度からは実務経験は問われなくなりました。2級の資格を取得すれば、その翌年から1級の第一次検定を受験できます。

新しい資格である「技士補」がつくられたことも大きな変更点です。技士補の資格は、第一次検定に合格することで取得できます。一度、技士補の資格を取っておけば、第一次検定を受ける必要はなくなり、第二次検定を何回でも繰り返し受験できます。第二次検定に合格することで、施工管理技士の資格を取得できます。

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