- 給水設備の積水工業TOP
- コラム一覧
- その他一覧
- 管工事施工管理技士の仕事内容や給与について解説します
管工事施工管理技士の仕事内容や給与について解説します

工事現場や建設現場で働く際に求められる資格にはさまざまなものがありますが、「管工事施工管理技士」もそんな資格の中のひとつです。
ただ、資格の名称だけ聞いても実際にどのような仕事を担うのかピンと来ない人もおられると思いますし、資格を取得することでどのようなメリットがあるのかがわからないという人もおられるでしょう。
本記事では、管工事施工管理技士の仕事内容や管工事施工管理技士の資格を取得することのメリット、管工事施工管理技士の平均年収などについて解説します。
目次
管工事施工管理技士は配管工事のエキスパート
建物を建てる際には水道管やガス管・空調のための給排気ダクトなど、さまざまな配管工事が必要になりますが、管工事施工管理技士はそのような配管工事のエキスパートです。
管工事施工管理技士の資格がなくとも配管工事を行うことは可能ですが、専任技術者や主任技術者を務める人は管工事施工管理技士の資格を取得している必要があるため、建設現場においては常に求められる資格です。
管工事施工管理技士は国家資格なので、指定機関で行われる試験に合格しなければ取得することができませんが、上述したような理由から取得しておけば建設事業者等への就職において有利となることは間違いありません。
管工事施工管理技士の主な仕事内容3つ
管工事施工管理技士は配管工事をさまざまな観点から管理しますが、その中でも特に重要な管理としては、以下のようなことが挙げられます。
● 品質管理
● 工程管理
● 安全管理
それぞれについて、説明します。
1.品質管理
配管に使用する材料の品質や規格などを管理し、配管工事が適切な仕様を満たすようにすることは、管工事施工管理技士の重要な仕事のひとつです。
品質を向上させるためには材料や部品などにお金をかける必要が出てきますが、そうするとその分だけコストが上がってしまいます。
コスト度外視で工事を行うことはできないため、品質とコストのバランスを見ながら管理・調節することが求められます。
2.工程管理
工事が予定通りに進んでいるかどうかを管理し、遅れなどが生じている場合は適宜必要な対処を行うのも、管工事施工管理技士の仕事です。
最初から最後まで予定していた通りに工事が進めば工程管理は非常に楽ではありますが、材料の手配が遅れたり作業員の作業スピードが想定していたより遅かったりと、工事が遅れうる要因は多々あります。
仕様変更などによって工事途中で計画を練り直さなければならない場合もあるので、どのようなケースにも柔軟に対応することが求められます。
3.安全管理
作業員が安全に働くことができるように環境を整えることも、管工事施工管理技士に課せられたミッションです。
作業員が安全に働くことができないような環境であれば必然的に作業スピードが落ちてしまいますが、環境整備がしっかりと行われていれば作業員のモチベーションも上がり、効率よく作業をこなしてくれます。
そういった意味では、安全管理をきちんと行うことは工程管理を行うことにもつながっています。
管工事施工管理技士の資格を取得する3つのメリット
管工事施工管理技士は国家資格なので、取得は決して簡単なことではありません。
しかし管工事施工管理技士の資格を取得することには、以下に挙げるようなメリットがあります。
● 専門知識や高度なスキルを持っていることの証明になる
● ほかの資格を取得する際に有利になる
● 公共事業への入札においてポイントが加点される
それぞれのメリットについて、説明します。
1.専門知識や高度なスキルを持っていることの証明になる
先ほど少し触れたように、管工事施工管理技士でなくとも配管工事を行うことは可能です。
しかし管工事施工管理技士の資格を取得しているということは、配管工事に関しての専門知識や高度なスキルを持っていることの証明になります。
そのため現場で作業を行うだけではなく、設計や工程の管理といったマネジメント的な業務も任されやすく、昇進や昇給において有利に働きます。
2.ほかの資格を取得する際に有利になる
管工事施工管理技士の資格を有していると、工事において必要なほかの資格を取得する際に有利になる場合があります。
たとえば浄化槽設備士の資格を取得する場合、管工事施工管理技士の資格を取得していると講習を修了して免状交付申請の手続きを行うだけで、浄化槽設備士の資格を取得することができます。
また、給水装置工事主任技術者の資格を取得する場合、管工事施工管理技士の資格を取得していると、試験科目から「給水装置の概要」と「給水装置施工管理法」の2つが免除されます。
複数の資格を取得しているとキャリアアップにも役立つため、管工事施工管理技士の資格取得を皮切りにしてほかの資格取得を目指すのは、賢い方法です。
3.公共事業への入札においてポイントが加点される
建設事業者が元請けとして公共事業への入札を行う場合、技術力を確認するために「経営事項審査」という審査を受ける必要があります。
この審査の技術力評価において、1級管工事施工管理技士は5ポイント、2級管工事施工管理技士は2ポイントの加点を受けることができるので、管工事施工管理技士を多く抱える建設事業者は公共事業の受注において有利な立場を築くことができます。
資格の取得者に直接的なメリットがあるというわけではありませんが、管工事施工管理技士であるというだけで採用の際に優先順位が上がる可能性があるので、建設事業者の求人に多くの応募者が集まった場合には、資格を取得していることの恩恵を受けられるかもしれません。
管工事施工管理技士には1級と2級がある
上で少し触れましたが管工事施工管理技士には1級と2級があり、どちらも配管工事のエキスパートであることは間違いないものの、担当することができる業務領域は少し異なります。
2級が務めることができるのは専任技術者・主任技術者だけですが、1級になると専任技術者・主任技術者に加えて、監理技術者の役割を務めることができます。
また、規模の大きな特定建設業に携わることができるのは、1級管工事施工管理技士だけです。
1級管工事施工管理技士の資格を取得すると、本来であれば2年の実務経験が必要となる建築設備士の受験資格を取得することができるため、建築設備士の資格取得を目指している場合は、管工事施工管理技士の資格を1級まで取得するのがおすすめです。
管工事施工管理技士1級と2級それぞれの平均年収
管工事施工管理技士は、「一次試験」と「二次試験」両方の試験に合格しなければ取得することができない国家資格(注1)なので、管工事施工管理技士を取得している人の年収は一般的なサラリーマンの年収よりも高めの傾向にあります。
2級管工事施工管理技士で平均年収が400万円~500万円、1級管工事施工管理技士で平均年収が500万円~700万円ほどです。
1級と2級に年収の差があるのは、1級管工事施工管理技士のほうが2級管工事施工管理技士よりも担当することができる業務領域が広いからだけではなく、1級管工事施工管理技士の取得者に対しては資格手当を支給している建設事業者が多いということも、要因として考えられます。
注1
2021年からは、学科が「一次試験」、技術が「二次試験」に変更