コラム

排水設備工事責任技術者とは?資格や仕事について解説

排水設備工事責任技術者とは?資格や仕事について解説

排水設備工事責任技術者は排水設備工事の計画から施工まで行い、生活インフラを支える上で重要な職業です。

本記事では、具体的な仕事内容や、資格取得方法、資格を取得することでどのような活躍が期待できるかを解説します。

排水設備工事責任技術者は排水設備工事のスペシャリスト

排水設備工事責任技術者とは、各都道府県市区町村で実施される「排水設備工事責任技術者」試験に合格し、資格を登録された者のことを指します。

主な仕事は下水の処理に必要な排水装置工事の計画から施工、メンテナンスまで一通り行います。
排水設備とは家庭や企業から出る汚水を受け止め、公共下水道に引き込む装置(排水管など)全般を指します。

また、各都道府県や市区町村の条例で登録された「下水道排水設備指定工事店」でなければ排水設備の設計や施工を行うことができません。
この指定工事店となるためには、1名以上の排水設備工事責任技術者の選任が不可欠です。

そのため、下水関係だけでなく住宅管理やメンテナンス業でも欠かせない資格となっています。
清潔な住環境の要となる下水道の設備・点検を担う重要な仕事と言えます。

仕事内容は排水設備工事の計画から施工まで担当

排水設備を新に設置する際には、設置計画から施工・現場管理まで、一連の流れを担当します。
ですので、現場の指揮監督を行うマネージメント色の濃い仕事です。

また、施工図面の作成やスケジュール・予算管理なども発生するため、書類作成や事務処理もこなさなければなりません。
技術者のときとは違い、専門知識の活用だけでなく他業者との調整も発生するため、より難易度が高い仕事と言えます。

メンテナンスや撤去も担う

また、既に設置された排水設備のメンテナンスも主な仕事内容です。
排水設備は専門の知識がなければ管理が難しいため、排水設備工事責任技術者指導のもと、装置の老朽化や故障がないかの点検・管理を行います。

また、老朽化に伴い撤去が必要となった場合も撤去工事の計画から施工まで担当します。
下水施設管理になくてはならない仕事と言えます。

資格取得には「排水設備工事責任技術者試験」合格が必要

排水設備工事責任技術者になるには、公益社団法人 日本下水道協会が主催する「排水設備工事責任技術者試験」を受験し合格する必要があります。
試験は都道府県の市役所や下水道局ごとに行われるため、開催日時や受験要綱が異なります。
受験の際は必ず該当の都道府県HPで要綱を確認してください。

試験の詳しい内容は下記の通りです。

受験資格は実施する都道府県により異なる

受験に必要な資格も各都道県により若干の差があります。

たとえば、東京都では下記のいずれかに該当する場合、受験資格を認めています。[注1]

・高等学校などで土木や設備工業など、一定の過程を終了した者。
・排水設備の新規設置等の設計又は施工に従事した期間が通算して2年以上あるなど、実務経験を有する者。

受験資格は都道府県により多少差異があるため、判断が付かない場合は管轄の窓口に確認してください。

試験日は11月・12月が多く都道府県により異なる

試験日についても実施都道府県により差があります。
たとえば静岡県の令和2年度試験日は10月21日に対し、東京都は12月20日と2ヵ月もの差があります。
※試験日は平日の場合もあります

申し込み日や締切日、受験料も各都道府県で異なりますので早い段階で確認するなど、注意が必要です。

47都道府県の実施機関で受験

試験は、47都道府県の各実施機関で行っています。
県庁所在地だけでなく、市区町単位でも試験会場を設けています。

試験は全30問100点満点で採点

試験は全30問、100点満点で採点します。
その内、法令に関する問題が30点分、技術に関する問題が70点分となります。

合格するには以下の2点を満たす必要があります。[注2]

・総得点が70点以上であること。
・法令・技術の各区分の得点率が50%以上であること。

法令は15点以上、技術は35点以上の獲得が必須となりますので、対策をしないと難しい試験と言えます。

合格率は30~50%程度 都道府県により異なる

合格率も全国の実施団体により異なりますが、概ね30~50%程度です。
東京都下水道局の発表では、平成 24 年度~平成 28 年度までの5年間の合格率を59.52%と発表しています。[注3]

5年ごと資格更新手続きが必要

排水設備工事責任技術者となった後は、5年ごとに資格の更新手続きが必要です。更新手続きの前に登録した住所宛に資格登録更新実施案内や申込書が送られてきます。

また、更新の際には講習の受講も必要となります。
更新を行わないと資格抹消となりますので、住所の変更などがあった場合は速やかに変更手続きをしておきましょう。

資格取得で給排水設備業への転職が有利になる

水道局といった公的機関のほかに、排水工事を行う指定工事業者は必ず1名以上、排水設備工事責任技術者の在籍が不可欠となりますので、資格を持っていることは転職・就職の際有利になります。
※転職の際には資格の登録変更が必要になります。

また、資格を持っていることで、毎月一定額の資格手当を給付する企業もありますし、現場作業から管理・監督の仕事を目指せる企業もあります。キャリアアップや、昇給・昇格の際に有利な資格をお探しなら、ぜひ排水設備工事責任技術者を目指してみてください。

[注1]東京都下水道局:受験資格
https://www.gesui.metro.tokyo.lg.jp/contractor/pdf/jyukenshikaku.pdf

[注2]公益財団法人 日本下水道協会:排水設備工事責任技術者試験 試験問題の形式について
https://www.jswa.jp/works/management-public/test_format/

[注3]東京都下水道局
https://www.gesui.metro.tokyo.lg.jp/contractor/information/pdf/29haisuishiken_result.pdf

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