コラム

給水管更新にあたって注意すべき点

マンションの建物は建てられてから時間が経つとどんどん経年劣化していきます。それとともに給水管も経年劣化をしていきます。給水管の寿命は概ね20年〜30年とされており、劣化した給水管は更新する必要があります。給水管に漏水が起こると、住戸に甚大な被害が出てしまうのでその前に更新しなければなりません。

今回はマンションの給水管更新にお悩みの方に施工の内容や注意するべきポイントを解説します。

マンション給水管更新工事の施工は概ね以下のような内容で進みます。

  1. ①住民に向けた設計概要説明会の開催
  2. ②施工会社を公募・選定し、通常総会で承認する
  3. ③住民に向けた工事概要説明会の開催
  4. ④共通仮設工事
  5. ⑤共有部分の給水管更新工事
  6. ⑥全戸室内の事前調査
  7. ⑦室内工事のテスト施工
  8. ⑧住民に向けた室内工事説明会の開催
  9. ⑨各住戸の室内工事
  10. ⑩工事完了後の撤去作業

非常に大掛かりな工事になるため、数百戸の大規模なマンションだと完了までに2年以上の時間を費やす一大プロジェクトになります。

専有部工事の場合は、事前に入念な準備をする必要があります。この準備を十分に行わないまま工事に入ってしまうと、入居者とのトラブルになったり、工事が大幅に遅れてしまったりといった弊害が出てきます。

工事が未実施の住戸が出てしまうと、漏水の危険性が高まります。細かいところまで入念な準備をし、全住戸の工事を確実に終わらせるようにしましょう。

▼専有部分に立入るため入居者の理解を得る
給水管工事では各住戸の専有部分に立ち入らなければならない機会が多くあります。室内工事前の事前調査もしなければなりません。室内の工事自体も数日に渡り、指定日に必ず在宅してもらったり、家具の移動や片付けをお願いしたりと入居者に対応してもらうことが多いです。

ですから事前に入居者の十分な理解を得る必要があるのです。

▼事前調査で状況を把握する
室内工事の前に事前調査をしますが、ここで各住戸の状況をしっかり把握する必要があります。特に分譲マンションの場合、住民がリフォームを施している場合があるので、別途特別な工事が必要なのかなど念入りに調査をしましょう。

想定されるケースには下記のようなものがあります。

  • ・給水給湯管を既に更新、または一部更新したという申告がある。この場合、実際に調査して真偽を確かめる必要があります。
  • ・リフォームの予定があるので、更新工事後の内装の仕上げはいらない場合があります。
  • ・風呂をユニットバスにしている場合の脱着の可否の確認が必要になります。

他にも多数の想定外のケースがあります。これらを一つ一つ確認して、それぞれのケースに対応するきめ細やかな対応が求められます。

▼工事費の負担者を明確にする
工事費の負担者をどうするのかを予め明確にする必要があります。

共有部分の工事費は修繕積立金から支出できるかと思いますが、専有部分の工事費についても修繕積立金から支出できるように管理規約を変更するのが望ましいです。専有部分の工事費を個人負担としてしまうと、改修が進まず、漏水などの損害につながる恐れがあります。

また、給水管更新工事中も安全と透明性の確保が重要な課題になります。給水管更新工事は、住民にも負担がかかってしまう工事です。スムーズに施工を進めるため、誠実な対応によって、住民の理解と協力を得ることは、必要不可欠といえるでしょう。

▼管理組合が現場を監督する
設計事務所や施工会社に依頼したから後は丸投げという対応ではなく、工事中も管理組合が工事の状況や問題点をしっかり把握しておく必要があります。設計事務所や施工会社などの現場サイドと管理組合やマンション管理士などのマンション側で定期的に会議を開き、関係者全員が状況を把握できるようにしておきましょう。

▼入居者に進捗状況を公開する
大規模なマンションになると給水管更新の工事は、完了までに数年かかることもあります。その間に定期的に進捗を公開していくことで、入居者の安心感を高めることができます。

マンションの給水管更新工事にあたって注意するべきポイントを解説してきました。

給水管更新工事は修繕工事よりもさらに入念な準備を行い、入居者の十分な理解を長期間得る必要があります。とても労力がかかることではありますが、給水管更新工事を行わければ漏水につながり、甚大な被害が出てしまいます。信頼できる設計事務所や施工会社と協力し、円滑に給水管更新工事が完了できるよう準備をしましょう。

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